顧客は満足すると、同じものを使い続けるものです。したがって、インタラクションで起きる顧客の感情的経験が、企業の成功の鍵となります。
顧客体験を形成する重要な要素は、迅速な対応ですが、24時間年中無休の対応は人間には不可能です。そこで、24時間体制で顧客にサービスを提供できるセルフサービス・ソフトウェアが必要になります。
顧客セルフサービス・ソフトウェアの役割は、企業とエンドユーザーの仲介をすることです。自動化ナレッジベースを通じて、製品の全メリットを顧客に体験してもらうことができます。
顧客セルフサービス・ソフトウェアを使うメリット
セルフサービス・ポータルは、多国籍企業から、担当者や代理人を雇わずに厳しい顧客のニーズに応えたいと考える小規模企業に至るまで、あらゆるタイプの会社にとって便利な存在です。
このソフトは、絶対にクエリ(処理要求)を見逃がさず、確実に顧客の全ての問い合わせに対応します。営業時間後も迅速な対応と継続的なカスタマーサポートを行うことで、顧客の信頼と満足度が向上します。
これによって、担当者(エージェント)が自分の業務を効率化したり、顧客サービスを改善したりすることが可能になり、十分な時間をかけて最も重要なビジネスプロセスに集中することができます。その結果、従業員の生産性向上、時間と顧客サービス部門で費やされるリソースの節約につながります。
これらのソフトウェアから得る顧客の反応は、ナレッジベースの形成のみならず、ウェブサイトのパフォーマンスや顧客関係に関するインサイトを得るためにも利用できます。
カスタマーサービス・ソフトウェアの種類
カスタマーサービスのソフトは、社内と社外の両方のサポートに使うことができます。様々な種類の顧客セルフサービス・ソフトウェアが市場で入手できるので、企業が自分たちのニーズに一番適したソフトを選択しやすくなっています。それでは、主な顧客サービスをご紹介します。
Live Chat(ライブチャット)
ライブチャット・ソフトウェアでは、ホームページやモバイルアプリから、顧客がブランドと通信することができます。また企業側は、顧客の問題のリアルタイムな解決を24時間体制で行うことができます。
Shared Inbox(共同受信トレイ)
この種のソフトでは、同じ受信トレイ(inbox)を複数のユーザーが使え、追加機能により顧客からの問い合わせをより迅速に収集、処理、報告することができます。従業員同様エンドユーザーのためにも使用できます。
Knowledge Base(ナレッジベース)
ナレッジベース(知識ベース)は、1 対 1 の情報共有ではなく、1 対多数の情報共有オプションを提供する優れたツールです。顧客が問題の原因や解決法を自分で見つけることができます。
Messaging Apps(メッセージング・アプリ)
WhatsAppやメッセンジャーのようなメッセージング・アプリで、人々の連絡の取り方が変わりました。家族や友人との連絡に使われるチャンネルが、今では顧客とのコミュニケーションに広く使用されています。したがって、一か所で顧客に連絡し会話を保存できるので、非常に便利です。
Phone Support(電話サポート)
長年、顧客の問題を解決するために、電話が使われてきました。このツールが企業にコールセンター・ソフトを提供すると、担当者は顧客の情報に完全アクセスして顧客の問題を解決できます。
顧客体験の向上に最適なソフトウェア
Zoho Desk(ゾーホーデスク)
ゾーホーデスクは、様々なリクエストを管理するためのツールを提供する、一番人気のあるソフトです。ITやヘルプデスク用の最善のソリューションを探している人に最適です。
ゾーホーデスクの主要な機能は、コールセンター・ソフトウェア、ナレッジベース、ヘルプデスク・エッセンシャル、レポート及びインサイト、チケットシステム、ソーシャルサポート・ソフトウェア、コラボレーション(共同作業)、担当者(エージェント)の生産性です。
ゾーホーデスクには無料プランがありますが、すべての機能が含まれているわけではありません。全機能を使用するには、ニーズに合わせて選べる有料プランがあります:スタンダード(約1,260円/担当者)、プロフェッショナル(約2,100円/担当者)、エンタープライズ(約3,680円/担当者)。
HubSpot(ハブスポット)
ハブスポットは、営業、マーケティング、サービスの3部門で使用されます。業界で最も認知度の高い顧客関係管理ソフトで、多岐に渡るソリューションをユーザーに提供します。
無料プランには、ライブチャット、チャットボット、チケット生成、無料電子メール・テンプレート、会話受信ボックスが含まれています。有料プランにアップグレードすると、追加機能を利用できます:スターター(約4,200円/月)、プロフェッショナル(約33,600/月)、エンタープライズ(約126,000/月)。
Freshdesk(フレッシュデスク)
フレッシュデスクは、最もシンプルで使いやすいソフトウェアです。アメリカン・エキスプレス、パナソニック、ヒューレットパッカードのような信頼される企業の多くが、このソフトを導入しています。
主な機能は、チケット生成、自動化、顧客セルフサービス、コラボレーション、フィールドサービス、マルチチャンネル・サポートです。顧客が今のソフトウェアに不満がある場合は、直ぐにソフトの切り替えもやってくれます。そのほか、社内トレーニング・サービスを利用すると、担当チームの従業員のトレーニングをしてくれます。
利用プランは4種類です:スプラウト(無料)、ブロッサム(約1,580円/担当者)、ガーデン(約3,000円/担当者)、エステート(約5,150/担当者)、フォレスト(約11,500円/担当者)。
Live Agent(ライブエージェント)
ライブエージェントは、顧客リクエストを全て管理し、顧客の所在地がどこであろうと、全ての通信を1つのプラットフォームに集めることができます。サポートチームの収益性を上げるために最適のソフトだと言えます。
ライブチャット、電子メールチケット、ソーシャルメディアとの統合、音声/ビデオ通話ができます。無料プランには、7日間のチケット履歴と、メールアドレス一つ、ライブチャットボタン一つ、コールセンターサポート用の電話番号一つが含まれます。
Zendesk(ゼンデスク)
ゼンデスクは、複数のチャンネルを通じて顧客サービス通信を管理しており、電子メール、音声、Facebook、WhatsApp、Twitter、ライブチャット、その他多数によるカスタマーサポートを含みます。このソフトで全てのデータソースが一か所に接続されるので、サポートの必要な顧客から連絡があればいつでも、適切な情報が表示されます。
ゼンデスクには有料プランしかありません。主なプランは2種類:プロフェッショナル(約9,350円/担当者)とエンタープライズ・サポートスイート(約15,650円)です。この他に、小規模ビジネス向けの手頃な価格プランもあります:エッセンシャル(約525円/担当者)、チーム(約2,000円/担当者)、プロフェッショナル(約5,150円/担当者)、エンタープライズ(約10,400円/担当者)、エリート(約20,900円/担当者)。また、ビジネスの様々なニーズをサポートできるように、カスタマイズ・ソリューションも提供しています。
まとめ 顧客セルフサービス用ソフトによって、提供されるツールが異なるので、その企業の顧客サポートに最も適した製品を選ぶことができます。その際、必要な担当者(エージェント)の数、予算、ニーズに最適な機能バンドル(組み合わせ)を考慮してください。